主催からのご挨拶

湊山コスプレ大茶会によせて

第二次米子映画事変・実行委員長 株式会社ガイナックス・赤井孝美

日本にコスプレ文化が入って来たのは、だいたい70年代の初め頃のSF大会あたりだと思います。

当初はアメリカのSF映画やコミックスが中心で、アメリカ流に「マスカレード」と呼ばれていましたが、次第に日本製アニメやコミックスの扮装が増え、いつしか「コスプレ」という呼び名が定着しました。

80〜90年代にコスプレの主な舞台がSF大会からコミックマーケットなどの同人誌即売会に移ると、混雑や周辺環境への配慮から次第に規制が強化されていきました。現在のコスプレイベントで常識となっている登録制や更衣室制はこの時期に生まれてきた物で、日本独自のルールです。

近年は海外でも日本式のコスプレイベントが盛んですが、欧米でもアジアでもコスチュームは自宅やホテルで着替えて、会場に乗り込むことが普通です。これは多くの国でハロウィンなどのコスチュームイベントが昔から定着しているなど、文化の違いに負うことが大きいと思いますが、これはこれでなかなか楽しい風習です。

例えばドイツのカッセルという古都では毎年「コンニチ」というアニメファンイベントが開かれていますが、早朝に古いヨーロッパの石畳をFFのトンガリ耳のキャラクターがマントをなびかせて歩いていたり、ホテルのモーニングブッフェでテニプリ御一行様が合宿よろしく朝食を取っていたり、街そのものが異世界になったようでとても素敵な光景でした。そしておおらかな市民たちもこの一風変わったハロウィンもどきを温かい眼で受け入れていました。

私は何年も前から、日本でもこんなに自由にコスプレが出来たら良いのにと思い続けてきました。

東京などの過密社会では難しいことですが、米子のような地方都市で、しかも目新しくて楽しいことが大好きな土地柄なら、必ずしも都会型ルールにこだわることはないのではないでしょうか。

今回、『湊山コスプレ大茶会』では従来通り更衣室ももちろん御用意していますが、試みに「自宅からのコスプレOK」としました。自由には自覚と責任が伴いますので、周辺住民や一般の方への配慮、特に過度の露出や武器の携行などは充分ご注意頂きます。

ところで「湊山コスプレ大茶会」とは豊臣秀吉の北野大茶湯(きたのだいさのえ)に習った物です。長い戦国の世を終わらせた秀吉は京都の北野で大茶会をひらきましたが、それは茶道具さえ持ってくればどんな身分でも(農民でも外国人でも)参加OKで、しかも秀吉や利休や諸大名も茶を点てて皆をもてなすという物でした。

湊山コスプレ大茶会は秀吉には及びませんが、同じ心意気でスタッフも皆コスプレして皆さんをお待ちしています。

さあコスをして街へ出よう。私ももちろんやりますよ。